2013年3月21日木曜日

【ミックス】おすすめボーカルエフェクト処理

プロクオリティのボーカルトラック作り大公開


私が日々楽曲制作している中で、最近特に気に入っているボーカルのエフェクト処理テクニックをご紹介します。


なお、DTM/DAWソフトに付属しない市販のプラグインエフェクトを多用していますが、近年のDTM/DAWソフトは、「これ、別売りだったのに、付けちゃうの!?」というくらい豪華になってきていますので、似たような効果はこれから紹介するエフェクトを持っていなくてもある程度再現出来ます。


なお、これから紹介するボーカルエフェクトは、それぞれおすすめのエフェクトでもあります。
処理していく手順もご紹介しますので、参考にしてみて下さい!!


1.ピッチ(音程)修正/Melodyne Auto-Tune

Auto-Tune 7 設定例 / Melodyneで直したあと、場合によって使うことがある
Auto-Tune 7 設定例 / Melodyneで直したあと、場合によって使うことがある


本来、ピッチ(音程)修正はしないにこしたことはないのですが、歌のニュアンスは最高なのに、ピッチ(音程)が少し悪い…ということがたくさんあります。


そのため、ボーカルを録ったあとに、ニュアンスの良さ優先で各テイクをつなぎ、ピッチ(音程)が気になる箇所を直していきます。


ピッチ(音程)修正で私が多用するのは、Melodyneです。

私がメインで使用しているDTM/DAWソフトはCubaseなので、Cubaseには、VariAudioというMelodyneと同じような要領で使えるピッチ(音程)修正機能がCubase5からあるのですが、個人的に操作性がどうも馴染めず、いつもMelodyneに手が伸びます。


また、一言単位で音量を上げ下げ出来るので、フェーダーオートメーションなどで全部処理しなければならなかった部分も、Melodyneで一部処理していきます。

特に、ファルセット(裏声)で歌っている箇所や、歌い出しのところで音量を上げていることが多いです。


ピッチ(音程)修正で最も有名なのは、Auto-Tuneだと思いますが、こちらだけでピッチ(音程)を直そうとすると、パキっとかかる感じなので、Melodyneで大部分を直したあと、曲によっては、Auto-Tuneを軽くかける…という使い方をしています。


なお、CubaseではPitch CorrectというAuto-Tuneに相当するピッチ(音程)修正プラグインが付属していますので、CubaseユーザーはAuto-Tuneを買わなくても、Auto-Tuneと同じことが出来ます。


しかも、Auto-Tuneよりもナチュラルにかかるので、楽曲によって私は使い分けています。


2.コンプ1回目/T-RackS Black 76 Limiting Amplifier


T-RackS Black 76 Limiting Amplifierの設定例 / ゲインリダクション5dbを目安に
T-RackS Black 76 Limiting Amplifierの設定例 / ゲインリダクション5dbを目安に

プロのレコーディングでは、コンプとEQをあらかじめかけておいて、あとのミックス・ダウンで処理しやすい音でレコーディングしておくという考え方があります。


しかし、私はレコーディングのときにエフェクトかけ録りをしない派です。
レコーディング時、ボーカリストのモニターにはコンプとリバーブをかけた音を送っている(ボーカリストによっては、リバーブを嫌う方もいるので、まちまちですが)のですが、録り音自体は、本当の素の音を押さえておいて、あとでじっくり考えるほうが好きなのです。


ただ、マイクプリだけは、オーディオ・インターフェースのものではなくて、Vintech Audio Dual 72というものを通しています…ここら辺は好みですね。


さて、そうやって、歌ったまんまのボーカルトラック。
これをオケに単純に混ぜると、音量のバラつきが激しく、ある部分では聴こえて、ある部分では聴こえにくいということが起きてしまうので、コンプで軽くレベルを抑えます。


使ったのは、銘機UREI 1176をシミュレートしたT-RackS Black 76 Limiting Amplifierです。


UREI 1176をシミュレートしたプラグインエフェクトはたくさんありますが、たまたまキャンペーンで付いてきたT-RackS Black 76 Limiting Amplifierのドライブ感が気に入ってしまい、よく使っています。


でも、どっぷりかけると、結構歪んできますので、本当に軽く…です。
また、レコーディング時にかけ録りしていないコンプを最初にかけておく…という意図もあります。


なお、このコンプは、Pro Toolsユーザーですと、BF76というものが初期が付属していますので、使うことが出来ます。

Cubaseユーザーは、Vintage Compressorがこの1176の効果を真似たもののように感じます。


3.EQ/Waves REQ-4

Waves REQ 4の設定例 基本に忠実といった感じです。500Hzにこもりを感じたので少しカットしました
Waves REQ 4の設定例
基本に忠実といった感じです。500Hzにこもりを感じたので少しカットしました


コンプで音量を整えたあと、EQです。
逆に、コンプで音量を整えておかないと、EQポイントが正確に把握しづらいというのもあります。


私は、一時期ビンテージシミュレート系のEQに凝って、あれこれかけていましたが、結局Waves REQ-4に戻ってきています。


Pro Toolsを除いて、LogicもCubaseも、付属してくるEQはよく出来ているのですが、Waves REQ-4は変にEQくさくならないし、派手な効果というより、着実に欲しいところをブースト、いらないところをカット出来るので、主にハイのニュアンスをナチュラルに仕上げたい楽器には何にでも好きで使っています。


Waves REQは、2バンド版のREQ-2と6バンド版のREQ-6もありますが、2バンドでは、ローカット、ハイカットするぐらいにしか使えないし、REQ-6で6バンドも使って思った音にならないのは、そもそも録り音に問題アリという考えの下、標準的な4バンドのREQ-4しか使っていません。

4.Waves RVoxにムリが来ないように使うWaves Vocal Rider

Waves Vocal Riderのセッティング例 音量が下がりがちなAメロに主にうまくかかるように設定しました
Waves Vocal Riderの設定例
音量が下がりがちなAメロに合わせてセッティング

ボーカルのミックステクニックで、フェーダーオートメーションを使うというのは、クオリティーアップのためには、必須です。


フェーダーオートメーションひとつで、歌が上手くも下手にも聴こえると言われるくらいで、初心者を脱出するためには、必ず使い方を研究したいのですが…今や、それも自動化でやってしまうプラグインエフェクト…それが、Waves Vocal Riderです。


ただ、以前、Waves Vocal Riderが発売されたばかりの頃、体験版で使ってみたのですが、「う〜ん…すごいのはわかるけど…、うまい使い方が見つからないなぁ…」という印象だったもので、実は、最近になってやっと買いました。


で…、色々使い方を考えたところ、私の場合、こうなりました。


「やっぱり、フェーダーオートメーションは自分で書こう!!」


そして…


「Waves Vocal Riderは、音が変わらないコンプだ!!」


どういうことかと言いますと、私はコンプの使い方をお教えするときに、「コンプって音が良くなると思うかもしれませんが、実は、音が悪くなるエフェクトなのです」と言います。


コンプは、ミックスダウンをお教えする上で、一番難しいエフェクトです。
なぜならば、コンプの効果は、実は「すっごく音が良くなる!!」というものではなく、「何となく良くなる」くらいがベストなので、EQほどわかりやすく音が変わるものではないのです。


そして、コンプはかければ必ず副作用があります。


ある部分では良くなる…これは、音圧が上がるので、迫力が増すということなのですが、音圧を求めれば求めるほど、音はクリアではなくなります。


つまり、深いコンプをかけたなら、必ずコンプで失われたものをEQで取り戻すという工夫が必要になるのです。


しかし…、話は戻りまして、Waves Vocal Riderですが、これは、単純に音量を上げ下げしているだけなので、音は変わりません。


この点がWaves Vocal Riderの使い方をマスターする上で重要なのでしょう…少なくとも私はそう考えました。


コンプ1回目で使ったT-RackS Black 76 Limiting Amplifierだけでは、まだボーカルの音量にバラつきがあり、特に打ち込みモノのバッキバキのクラブ系トラックには太刀打ち出来ない感じなので、後にWaves RVoxできっちり音圧を稼ぐのですが、オケに負けないようにするあまり、深くコンプをかけるということがないように、この段階でWaves Vocal Riderを使うのが、ひとつの使い方だと思います。


5.まさに魔法!?Waves RVoxでボーカルの音圧稼ぎ

ボーカルの音圧上げに魔法のような効果 Waves RVox
ただし、かけ過ぎるとやはりクリアではなくなるので、控えめに

とにかくボーカルの音圧上げに効果テキメンなのが、Waves RVox。
エンジニア志望の方はWaves RVoxに頼りすぎてはいけないとサンレコにレビューされていましたが、そうも言いたくなるくらいカンタンな使い方…スレッショルドを下げるだけ。


しかし、これはWavesのマキシマイザー、Lシリーズにも言えることですが、やりすぎはいけないのです。


RVoxはわかりやすく音圧が上がりますが、深くかけていくと、どうしても歪っぽくなるし、個人的にはローミッドが持ち上がってくる印象があり、ヌケが悪くなります。


でも、時間がないときは頼りたいわけです。というか、音楽制作を生業にしている場合、やはり時間をかけることより、結果を出さないといけないわけですから…。
実際、私があるメジャーアーティストのプリプロアレンジをしたときに、エンジニアさんから送られてきたPro ToolsのデータにもRVoxは使われていました。


そこで、Waves RVoxの魔法のようなパワーをうまく引き出すためにT-RackS Black 76 Limiting AmplifierとWaves Vocal Riderで、ある程度音量を整えておくという工夫をしておくのです。


音圧稼ぎをする上では、マキシマイザー系のエフェクトに全部丸投げするのではなく、マキシマイザーの働きをサポートするエフェクトを使っておくというのが、クリアな音を作るミックステクニックのひとつです。


なお、こんな魔法のようなプラグインエフェクトは、残念ながらどのDTM/DAWソフトにも付属してきませんが、ボーカロイドだと、普通のコンプでは叩ききれないくらい音量がブレる傾向があるので、レッスンでは、RVoxの役割をDTM/DAWソフト付属のマキシマイザーで代用することをおすすめしています。

6.空間系エフェクト


ボーカルには、やはり響きが必要です。


とにかくドライに仕上げるような楽曲であっても、空間系エフェクトがかかっていないと、オケに混ぜたときにボーカルだけ浮きます。


私は、いつも定番な手法を使います。

Cubase付属のMonoDelay設定例
ディレイは多機能な市販プラグインエフェクトより、DTM/DAWソフト付属のシンプルなディレイが好き
Waves IR-L / サンプリングリバーブ設定例
サンプリングリバーブは生楽器系に最適で、ボーカルには定番のプレートリバーブを

まず、空間系エフェクトとは、主にリバーブとディレイのことを言います。


ディレイは、アレンジの手法として、元のフレーズを変えるような使い方もありますが、今回はミックスダウンの中で使うディレイセッティングです。


8分音符のディレイか付点8分音符のディレイが定番だと思いますが、私はボーカルには付点8分音符のディレイを使うのが好きです。


さらに、リバーブ。
ボーカルには、奥に引っ込まず、明るいキャラクターのプレートリバーブが最適というのが定番です。


最近では、別売りで10万円とかしたサンプリングリバーブも、DTM/DAWソフトに付属しますね。


Cubaseだと、REVerenceというものです。
Logicですと、Space Designerというもの。
Pro Toolsにはサンプリングリバーブは付属しませんが、D-Verbが結構普通に使えますので、不足は感じません。




以上、プロに愛用されているハイエンドな市販プラグインエフェクトばかりの紹介となってしまいましたが、ここで紹介したボーカルエフェクトはすべておすすめです。


初心者から脱出したい方は、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか?
また、ボーカルにエフェクトをかけていく手順、どんなエフェクトをかけるのか…といった点でも、ご参考になれば幸いです。

DTM教室ならDTM,DAW,作曲個人レッスンスクールのStep One DTM School川崎元住吉教室
Step One DTM School川崎元住吉教室Web Site

0 件のコメント:

コメントを投稿